なぜクラウドストレージにセキュリティ対策が必要なのか
クラウドストレージはスマホやパソコンから簡単にアクセスでき、写真や書類を自動的にバックアップしてくれる便利なサービスです。しかし、多くのユーザーが気づいていないのが「自分の大切なデータがインターネット上に保存されている」という事実です。自宅のPCに保存しているときとは違い、クラウドに保存したデータは外部からアクセスされる可能性がゼロではありません。もちろん、Google DriveやDropboxなどの大手サービスは高度なセキュリティを導入していますが、ユーザー側の設定が甘いとアカウントが乗っ取られるようなトラブルにもつながってしまいます。そんなリスクを減らすために重要なのが「暗号化」と「2段階認証」です。難しそうに聞こえるかもしれませんが、内容を理解すると実はとてもシンプルで、今日から取り入れられる対策ばかりです。
暗号化とは?データを見えなくする“カギ”のような仕組み
暗号化とは、保存されているデータを第三者が見ても内容が分からないように変換する仕組みのことです。例えば、あなたがクラウドに保存した写真や書類がそのままの状態で保存されていたとしたら、万が一外部から不正アクセスされてしまった場合、内容が丸見えになってしまいます。そこで暗号化が役立ちます。暗号化されたデータは特定の鍵(復号鍵)がないと読み取れないので、外部の人がアクセスしても内容を確認することができません。クラウドサービスの多くは基本的に通信暗号化(HTTPS)や保存データの暗号化に対応しており、利用者が意識しなくても一定の安全性が保たれています。また、必要に応じて自分のパソコン側でフォルダごと暗号化する方法もあり、より高いセキュリティを求める人には有効です。
クラウドサービスの暗号化はどこまでしてくれる?
主要なクラウドストレージは、データの送信時と保存時の両方で暗号化を行っています。例えばGoogle DriveやOneDriveは、ファイルをアップロードする段階で自動的に暗号化し、サーバー上でも暗号化されたまま管理されます。これにより、万が一通信を盗み見られたり、サーバーが攻撃を受けたりした場合でも、データの中身は守られます。ただし、暗号化といってもすべてが万全というわけではありません。クラウドサービス側が鍵を管理しているため、アカウントそのものを乗っ取られた場合にはアクセスされてしまう可能性があります。つまり、暗号化は「データ保護の大事な土台」ではありますが、それだけで完全に安全というわけではありません。そこで、もうひとつ重要になるのが2段階認証です。
2段階認証とは?パスワードだけに頼らない安全対策
2段階認証とは、ログイン時にパスワードだけでなく、もう1つ別の方法で本人確認を行う仕組みです。よくある方法は、スマホに届く認証コードを入力するタイプや、認証アプリを使うタイプです。もしパスワードが流出してしまったとしても、2段階認証が有効になっていれば、ログインに必要な追加コードが手に入らないため、不正アクセスを防ぐことができます。特にクラウドストレージのように個人情報や仕事のデータがたくさん保存されているサービスでは、2段階認証は必ず設定しておきたい基本のセキュリティ対策です。一度設定してしまえば日常的な使い勝手はほとんど変わらず、安心感が大きく高まります。
暗号化と2段階認証を組み合わせると安全性が大幅に上がる
暗号化と2段階認証は、単体でも効果がありますが、組み合わせることでより強力なセキュリティが実現します。暗号化によってデータそのものが見えなくなり、2段階認証がアカウントへの侵入を防いでくれるため、二重の保護がかかるイメージです。これは家庭用でもビジネス用途でも非常に有効で、大切な思い出の写真から、仕事で扱う書類まで幅広く守ることができます。また、一度設定してしまえば特別な操作はほとんど必要なく、自動的に安全性が保たれるのも大きなメリットです。クラウドストレージを安心して使い続けたいなら、この2つを基本セットとして捉えておくのがおすすめです。
今日からできる安心のクラウド活用術
暗号化と2段階認証は難しい専門用語に感じるかもしれませんが、実際にはとてもシンプルで、どのクラウドサービスでも簡単に設定できます。暗号化はデータそのものを守る仕組み、2段階認証はアカウントを守る仕組みと考えると理解しやすいです。特にクラウドには大量のデータが集まるため、最低限のセキュリティ対策として2段階認証は欠かせません。これらを正しく理解して設定しておけば、クラウドはとても便利で安心して使えるツールになります。まずは使っているクラウドサービスのセキュリティ設定画面を開き、暗号化の仕様を確認したり、2段階認証をオンにしてみてください。それだけでデータの安全性がぐっと高まり、毎日の利用がより安心できるものになります。
