NASは24時間つけっぱなしでも壊れないのか?
結論から言うと、設計どおりの環境なら24時間稼働は前提として想定されています。
私自身、家庭用NASを5年以上つけっぱなしで運用していますが、電源ONが原因で壊れた経験はありません。
なぜ不安になるかというと、PC感覚で考えてしまうからです。
ノートPCやデスクトップは、常時稼働すると熱や部品劣化が気になります。
しかしNASは用途が明確で、連続稼働を前提に冷却設計されています。
実際、最初の頃は夜だけ電源を切っていました。
その結果、朝に起動を忘れてバックアップが走らず、写真データが一部消えたことがあります。
この失敗以降、常時稼働に切り替えましたが、動作はむしろ安定しました。
重要なのは「つけっぱなし=雑な運用」にならないことです。
放熱環境や設定次第で、結果は大きく変わります。
NASの寿命は24時間稼働でどれくらい変わる?
寿命を左右するのは稼働時間そのものより、温度と振動の管理です。
HDDは回転している時間よりも、劣悪な環境での使用に弱い部品です。
メーカー公表のHDD耐用時間を見ると、24時間稼働を前提にしています。
むしろ頻繁な電源ON/OFFの方が、スピンアップ時の負荷がかかります。
以前、節電目的で1日2回電源を切っていた時期があります。
その頃に限って、SMARTエラーが頻発しました。
結果的にHDD交換が早まり、節電どころではありませんでした。
日常シーンで言うと、エアコンの効かない夏の部屋に置くのは要注意です。
ファン音がうるさくなったら、内部温度が上がっているサインです。
この段階で対策できるかどうかが、寿命を分けます。
NASをつけっぱなしにした場合の電気代はいくら?
一般的な家庭用NASの消費電力は20〜40W程度です。
24時間稼働しても、月の電気代は500〜1,000円前後に収まります。
この数字だけ見ると高く感じるかもしれません。
ただ、クラウドストレージの月額料金と比べると印象は変わります。
私の場合、写真と動画で2TB以上を保存しています。
クラウドだと月額1,300円以上かかる計算でした。
NASに切り替えた結果、電気代込みでも安くなりました。
失敗例として、スリープ設定を無効にしたまま使っていた時期があります。
深夜に誰も使わないのにフル稼働し、無駄な電力を消費していました。
アクセスがない時間帯はHDDを休ませる設定が重要です。
NASの消費電力を実際に計測した記事はこちら
Synology NASの消費電力を計測
つけっぱなし運用で注意すべきポイントは何か?
結論として意識すべきは「置き場所・温度・設定」の3点です。
この3つが整っていれば、つけっぱなしはむしろ安全です。
まず置き場所ですが、棚の奥や壁際は避けるべきです。
排熱がこもり、内部温度が簡単に上がります。
私はラック下段に置いて失敗し、夏場に警告が出ました。
次に温度管理です。
管理画面でHDD温度を確認する癖をつけると安心です。
40度を超える状態が続くなら、ファン設定や設置場所を見直します。
また、自動アップデートと通知設定も必須です。
障害が起きても気づかなければ意味がありません。
スマホ通知を設定してから、精神的な負担がかなり減りました。
電源を切った方がいいケースはあるのか?
常時使わない場合や、明確な利用目的がないなら電源OFFも選択肢です。
全員が24時間稼働すべき、という話ではありません。
例えば、月に数回しかアクセスしないバックアップ専用用途です。
この場合、定期的に電源を入れる運用でも問題ありません。
重要なのは「切る理由」が明確であることです。
以前、なんとなく不安という理由で毎晩電源を切っていました。
結果、バックアップ漏れや設定ミスが増えました。
目的と運用が一致していないのが原因でした。
判断基準としては、
・毎日アクセスするか
・自動バックアップが走るか
・外部からアクセスするか
この3点で考えると迷いません。
NASを24時間つけっぱなしにする価値はあるのか?
結論として、データを安心して使いたい人ほど常時稼働の価値があります。
利便性と安定性の両立が、NAS最大のメリットです。
つけっぱなしにすることで、
・バックアップが自動化できる
・外出先からアクセスできる
・家族でデータ共有しやすい
といった恩恵を受けられます。
この記事を読み終えた今、判断できるのは次の点です。
自分の使い方に24時間稼働が必要かどうか。
必要なら、どんな環境整備が必要か。
次の行動としては、
まず管理画面で消費電力と温度を確認してください。
その上で、スリープ設定と設置場所を見直す。
これだけで、寿命と電気代の不安は大きく減ります。
