AirPods Pro 3は本当に高いのか

結論から言うと、機能単体で見ると割高に感じやすいが、使い方次第で印象は大きく変わる。

私は発売直後に購入し、毎日4時間以上使っている。価格だけを見ると他社の上位モデルと比べても確かに高めだ。しかし、実際に使い続けると「単機能の集合体」ではなく「体験込みの価格」だと感じる場面が増えた。

例えば、電車やバス内でのノイズキャンセリング。数値上は同等のイヤホンもあるが、装着してから音楽を再生するまでの一連の流れが短い。ケースから出した瞬間に接続され、設定を触らずに最適化される。この小さな積み重ねが、毎日使う人ほど効いてくる。

一方で、音質だけを重視して自宅で使う人には割高に映る。実際、私は自宅用に別の有線イヤホンも併用している。AirPods Pro 3は万能だが、万能であること自体が価値になる人向けだ。

他のワイヤレスイヤホンと何が違うのか

Airpods Pro 3とiPhone16
音質に関しては可もなく不可もなく平均点レベル。音楽を聞きたいだけであれば他にも良いイヤホンは色々ある。

最大の違いは、音質や性能よりも「使うまでの手間」が少ない点にある。

私はこれまで複数のワイヤレスイヤホンを試してきたが、接続トラブルで使わなくなるケースが多かった。AirPods Pro 3では、そのストレスがほぼない。

理由は、Apple製品同士の連携が前提で設計されているからだ。iPhoneやMacを使っている場合、デバイス切り替えが自動で行われる。デスク上でMac、iPhone、iPadと使い分けても操作は不要だった。

失敗例として、音質重視で選んだ他社イヤホンを持ち歩かなくなったことがある。音質は確かに良いのだが、急ぎの電話に出られなかったり、マイクの質が良くなかった。その経験以降、「音が良い」より「確実に使える」ことを優先するようになった。

ノイズキャンセリング性能に満足できる人

通勤や外出が多い人ほど、価格への納得感は高くなる。

電車やバスに乗った際、低音だけでなく人の話し声まで自然に抑えられる点は助かっている。完全に無音になるわけではないが、疲労感が明らかに違う。飛行機に乗る時はノイキャンが無いと乗りたくないほどになった。

一方で、静かな環境でしか使わない場合、ノイズキャンセリングの性能差を体感しにくい。環境音が少ないと、上位モデルの恩恵は薄れる。

日常シーンで言えば、カフェ作業や移動中のオンライン会議。周囲の雑音が一定以上ある場面では、AirPods Pro 3の強みがはっきり出る。ここを使わないなら、別の選択肢も現実的だ。

AirPods Pro 3で後悔しない人の特徴

iPhoneとiPad Airを同時に使用していても音が出る端末をAirpods Pro 3が自動的に選択して切り替わる
iPadとAirpods Proの接続性はとてもよく、自分でどのデバイスと接続するか切り替える必要もない。

後悔しないのは、毎日複数回イヤホンを使う人だ。

私は通勤、作業、通話と用途が分散している。そのたびに設定を変えずに済む点が大きい。結果的に「考えなくていい道具」になった。

また、Apple製品を複数使っている人も満足度が高い。iPadで動画を見ていて、iPhoneに電話が来ても自然に切り替わる。この体験は、他社製品では代替しづらい。

逆に、週に数回しか使わない場合、価格に対する満足度は下がる。実際、家族に貸したところ「良いけど、この値段なら別でいい」と返された。使用頻度が判断の分かれ目になる。

後悔しやすい人が見落としがちな点

音質スペックだけで判断すると、後悔しやすい。

私は購入前、周波数特性やレビューを細かく見ていたし他社製のワイヤレスイヤホンも購入して使っていたこともある。しかし、使い始めて重要だと感じたのは操作性と安定性だった。

また、カスタマイズ性を求める人には不向きだ。イコライザー調整や細かな音作りは限定的で、音をいじる楽しさは少ない。過去に設定を追い込むのが好きだった私は、最初は物足りなさを感じた。

失敗例として、価格に期待しすぎるケースがある。万能ではあるが、全分野で最高ではない。この前提を理解せずに買うと「思ったほどではない」と感じやすい。

価格で迷ったときの判断基準

MacとAirpods Pro 3
Apple製品を複数使っているならAirpods以上に設定が不要なイヤホンは無い。

判断基準は「1日何回使うか」と「何を省きたいか」だ。

私は接続トラブルや設定時間を省きたかった。その対価として価格を受け入れた形になる。

具体的には、以下を満たすなら後悔しにくい。

・毎日2回以上イヤホンを使う

・移動中や屋外での使用が多い

・Apple製品を複数使っている

一方で、音楽鑑賞が主目的で自宅中心なら、他のワイヤレスイヤホンでも満足できる。価格差をどう使うかを想像すると判断しやすい。

まとめと次の行動

AirPods Pro 3は高いが、使う頻度と環境次第で納得感は大きく変わる。

後悔しない人は「毎日使い、手間を減らしたい人」。後悔しやすい人は「音質だけで評価する人」だ。

次に取るべき行動は、1日の使用シーンを書き出すこと。その中で「面倒だと感じている点」が多いほど、AirPods Pro 3の価値は高くなる。そこが判断できれば、価格への迷いは自然と減る。