AirPods Pro 3の外音取り込みは本当に「付けてない感覚」なのか?

外音取り込みの性能自体は非常に高く、単体で使う分には違和感を覚えにくい仕上がりです。
実際に装着して街中を歩くと、周囲の人の声や自転車の走行音が自然に耳へ入ってきます。
そのため、初めて使う人や初代からの乗り換えなら「何も付けていないみたい」と感じるのは自然だと思います。
ただ、日常的にPro2を使っていた身としては、音が少し強調されて聞こえる印象が残りました。
たとえばコンビニでレジ待ちをしていると、ビニール袋の音や足音がやや近く感じます。
便利ではあるものの、無加工感という点ではPro2のほうが好みでした。
Pro2と比較すると外音が「聞こえすぎる」と感じた理由
Pro2は環境音を丸めて再現する感覚でしたが、Pro3は情報量を増やして再生する方向です。
その違いが「自然さ」と「解像感」の好みを分けるポイントになります。
たとえば駅のホームで使うと、Pro3はアナウンスが明瞭に聞こえます。
一方で、電車のブレーキ音までしっかり入ってくるため、人によっては加工感を覚えるかもしれません。
比較対象がなければ気にならない差なのと、感じ方に個人差はあると思います。
通話品質の向上が外音取り込みに影響している可能性

通話時の聞こえやすさ向上が外音取り込みの方向性にも関係していそうです。
AirPods Pro 3は通話中の相手の声が明瞭で、雑音下でも聞き取りやすくなりました。
そのため、マイクや音声処理の調整が外音取り込み側にも反映されている可能性があります。
実際、歩きながら電話をした場面では、相手の声が以前より前に出てきます。
その反面、周囲の環境音も一緒に拾われやすく、音が整理されすぎた印象も受けました。
仕事で通話を多用する人には、明確なメリットだと感じます。
ノイズキャンセリングは「2倍」ではないが確実に進化
体感で2倍という印象はないものの、確実な進化は感じられます。
Pro2の時点で完成度が高かったため、劇的な変化を期待すると肩透かしになります。
ただし、低音域の抑制が一段階強くなった点ははっきり分かります。
街中で装着すると、車の走行音やバスのエンジン音がより遠くなります。
Pro2では「もう少し消えてほしい」と思っていた低音が、しっかり抑えられました。
環境によって評価が分かれるのは、この低音耐性の差が理由です。
ノイキャンの体感差が人によって分かれる理由

気になる音の種類は人それぞれ違うと思います。
高音が苦手な人もいれば、低音の振動が気になる人もいます。
そのため、変化を強く感じる人と、あまり変わらないと感じる人が出ます。
たとえばカフェ利用が多い人は、話し声の遮断性能を重視します。
一方で、通勤で使う人は車や電車の低音に敏感です。
自分がどの音にストレスを感じているかを基準にすると判断しやすくなります。
AirPods Pro 3はどんな人に向いているのか?
結論として、低音ノイズを重視し、通話品質も求める人に向いています。
街中での騒音や通話の聞き取りに不満があった場合は満足度が高いです。
実際、私自身は低音の抑制強化に大きな価値を感じました。
比較しなければ違和感のない外音取り込みなので、新規購入なら気にならないはずです。
音楽を聞きたいだけなら他にももっと良い音が出るワイヤレスイヤホンはあると思うし、ノイキャンだけならBoseのほうが良いかもしれません。
ただ、音楽も聞くけど通話にも使う、ノイキャンも欲しいし外では怖いから外音取り込みも必要という総合的な使い方をしたい人にはベストなワイヤレスイヤホンだと思います。
用途と優先順位を整理したうえで選ぶのが正解です。
