NASに保存すべきデータの基本的な考え方
結論として、失ったら取り戻せないデータが最優先で残る。
私がNASを使い続けて感じたのは、保存価値は容量ではなく再取得の難易度で決まる点だった。
そのため、時間や思い出が絡むデータは、多少重くてもNAS向きになる。
例えば、家族写真や自作資料は、消えた瞬間に代替が効かない。
一方で、同じサイズでも再ダウンロードできるものは緊急度が低い。
以前、写真と同列に扱っていた音楽データを消しても困らなかった経験がある。
また、NASは常時稼働を前提にした保管庫として強い。
つまり、長期保存と共有が必要なデータほど相性がいい。
写真・動画はどこまでNASに保存すべきか
厳選前提ならNAS向きになる。
撮った写真や動画をすべてNASに入れると、容量はいくらあっても足りない。
しかし、思い出として残す前提のデータは、ローカルより安全だ。
私の場合、スマホから自動同期した写真をそのまま放置して失敗した。
連写や失敗カットが積み重なり、半年で数百GBを消費した。
そこで、月1回だけ「残す写真」を選ぶ運用に変えた。
また、4K動画は一時保存と割り切ると楽になる。
つまり、編集後や家族で共有する完成版だけをNASに残す判断が現実的だ。
NASに保存しなくていいデータの代表例
再取得が簡単なデータは外して問題ない。
クラウドや配信サービスから再入手できるものは、NASの役割から外れる。
ここを見誤ると、容量不足の原因になる。
例えば、
・音楽配信サービスの楽曲
・動画配信の一時ダウンロード
・インストーラーやISOファイル
これらは消えても困らない場面が多い。
しかし、以前の私は「念のため」で全部保存していた。
その結果、本当に守りたい写真の置き場がなくなった。
その経験から、再取得可能かどうかを最初に考えるようになった。
バックアップデータをNASに置く際の線引き
世代数を決めないバックアップは危険だ。
PCやスマホのバックアップは便利だが、無制限に残すと膨張する。
特に、機種変更時の古いバックアップは見落とされやすい。
私が一度やった失敗は、5台分のiPhoneバックアップを全世代保存したことだ。
実際に必要だったのは最新1世代だけだった。
そこで、バックアップは「最新+1世代」までと決めた。
また、業務用と私用を分けると管理しやすい。
つまり、NAS内でも用途別に保存方針を変えるのが現実的だ。
NAS保存とクラウド保存を分ける判断軸
常に使うかどうかが分かれ目になる。
NASは家庭内や社内で頻繁に使うデータに向いている。
一方で、年に数回しか見ないものはクラウドで十分な場合が多い。
例えば、確定申告書類や過去の契約書はクラウド保管に移した。
その結果、NASの空き容量が一気に増えた。
また、外出先からのアクセス頻度も考慮すると判断しやすい。
しかし、クラウドは月額費用が積み上がる。
そのため、使用頻度とコストを天秤にかける視点が欠かせない。
NAS運用で後悔しないための線引きルール
保存ルールを文章化すると迷いが減る。
感覚で判断すると、その時の気分で保存してしまう。
そこで、簡単なルールを決めておくと継続しやすい。
私が使っている基準は次の3つだ。
・消えたら精神的に痛いか
・再取得に時間がかかるか
・1年以上使う可能性があるか
これに当てはまらないデータは、NASに置かない。
この線引きをしただけで、容量トラブルは激減した。
まとめ:この記事でできるようになることと次の行動
この記事を読むことで、NASに保存すべきデータと不要なデータを判断できる。
また、容量不足を仕組みで防ぐ考え方が身につく。
次に取る行動は、
- 現在のNAS内データを用途別に分類する
- 再取得可能なデータを洗い出す
- 自分なりの保存ルールを決める
この3つを実行すれば、NASは長く快適に使い続けられる。
