NASはなぜ静音性で後悔しやすいのか

結論として、設置前に音の発生源を想定できていないケースが多い。

NASの騒音は、HDDやファン単体の音だけでは決まらない。

設置場所や置き方によって、振動が増幅される点が見落とされがちだ。

私も最初は「スペック上は静か」と書かれたモデルを選んだ。

しかし、木製デスクの上に直置きした結果、低い唸り音が部屋に響いた。

本体よりも、机全体がスピーカーのように鳴っていたのが原因だった。

NASの音はHDDとファンだけで決まらない

振動が音に変わる過程を意識する必要がある。

HDDの回転音やアクセス音は、直接聞こえるよりも振動として伝わる。

その振動が床や棚に共鳴すると、体感音量が一気に上がる。

例えば、夜中にNASがバックアップを始めると、低音が目立つ。

静かな時間帯ほど、わずかな振動でも気になりやすい。

そのため、数値上の静音性だけで判断すると失敗しやすい。

NASの置き場所で静音性は大きく変わる

硬くて広い面ほど音は増幅されやすい。

デスク、棚、床に直置きすると、振動が逃げ場を失う。

特に中空構造の家具は、音を響かせやすい。

私の経験では、金属ラックより木製棚のほうが音が大きく感じた。

一方で、床に直接置いたときも、意外と振動が伝わった。

つまり、置き場所は「安定」より「共振しないか」で考える必要がある。

NAS本体の足の素材が音に与える影響

足の素材は軽視できない。

NASの標準ゴム足は、最低限の滑り止めでしかない場合が多い。

そのため、振動吸収性能は十分とは言えない。

私が試した中で効果が大きかったのは、耐震マットの使用だ。

ダイソーで売っている耐震マットを足の下に敷くだけで、音が明らかに減った。

HDDアクセス時の「ブーン」という低音が、ほぼ気にならなくなった。

静音性を重視するなら購入前に見るべき点

スペック表以外の情報が重要になる。

静音性はdB表記より、ユーザーレビューの設置環境を見る方が参考になる。

特に、リビング設置や寝室設置の声は貴重だ。

また、HDDの台数が増えるほど振動源も増える。

最初からフルベイ構成を想定している場合は注意したい。

余裕を持った設置と、防振対策込みで考えるのが現実的だ。

すでにNASがうるさいと感じたときの対処法

買い替え前にできることは多い。

まずは設置場所を変え、次に足元の防振を試す。

これだけで印象が大きく変わることがある。

具体的には、

・耐震マットや防振ゴムを敷く

・棚の奥ではなく、壁から少し離す

・共振しやすい家具を避ける

この順で試すと、コストをかけずに改善しやすい。

まとめ:この記事でできるようになることと次の行動

この記事を読むことで、NASの静音性で後悔しやすいポイントを判断できる。

また、音の原因が本体か設置環境かを切り分けられる。

次に取るべき行動は、

  1. NASの設置場所と足元を確認する
  2. 防振マットなど簡単な対策を試す
  3. それでも気になる場合に機種選定を見直す

この順で進めれば、NASの騒音ストレスは大きく減らせる。