消費電力が大きいパーツであるグラフィックボードですが、性能と設定の違いでどれくらい消費電力と電気代がどれくらい変わるのか?FF14ベンチマークとゲーム内でのFPSの設定変更を使って計測してみました。
HWMonitorとタスクマネージャーを使ってテスト中のCPUとGPUの使用率もモニターします。
目次
テスト用PCのスペックとグラフィックボード
Windows10 Pro 64ビット
CPU Intel Core i5-7500 3.4GHz
メモリ 16GB
SSD Crucial MX300 525GB
電源 Silvestone STRIDER GOLD 750W
グラフィックボード MSIのGeforce GTX 1050TiとGTX 1070
使用ソフト ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター&ベンチマーク
消費電力を計測するのはこちら。
REVEXの節電エコチェッカー ET30D。これにPCのみ接続して消費電力を計測します。
FF14の画像で左上に表示されている緑色の数字はGeforceのFPSカウンターです。
GTX1070とGTX1050Tiのスペック比較
GTX1070 | GTX1050Ti | |
アーキテクチャ | Pascal | Pascal |
CUDAコア | 1920 | 768 |
メモリ | 8GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
メモリクロック | 8 Gbps | 7 Gbps |
ベースクロック | 1506 MHz | 1290 MHz |
ブーストクロック | 1683 MHz | 1392 MHz |
消費電力 | 150 W | 75 W |
推奨電力 | 500 W | 300 W |
FF14ベンチマークでGTX 1050Tiの消費電力を計測
Windowsを起動した状態で消費電力51W、GPUの温度は31℃。思ったより消費電力少ないんですね。
FF14ベンチを動かしてみます(1920×1080 最高品質 仮想フルスクリーンモード)
スコアは7474、消費電力129W、GPU使用率は100%張り付きっぱなしで66℃まで上昇しました。
FF14ベンチマークでGTX 1070の消費電力を計測
次にGTX1070を使って計測してみます。
Windows起動した状態で消費電力63W(この画像ではタスクマネージャーでGPU2%になっていますが、消費電力はGPU0%の状態で写真を取りました)。GPUを使用していない状態でも1050Tiより消費電力が12W上昇。
1050Tiと同じ条件でFF14ベンチマークを使用(1920×1080 最高品質 仮想フルスクリーンモード)
スコアは13193で消費電力は224W。1050Tiでの消費電力は129Wだったので100Wほど上昇。
スコアと比例して消費電力も増えているという感じ。
1050Tiではベンチマーク中の処理の重いシーンで処理が追いついてないのが明らかに分かりましたが、1070では常時スムーズに表示されていました。
ベンチマークではどちらも非常に快適だけど、常に安定したFPSを求めるのであればFF14クラスのゲームでも1050Tiでは設定を最高画質から落としたほうが良さそうです。
GTX1050TiでFF14の設定を変更してfpsを変えてみるテスト
最高品質 消費電力124Wで47fps。60fps制限の設定にしたけれど、最高品質では60fps出ないですね。
ここからはfps設定を無制限に変更します。
高品質(ノートPC)消費電力122Wで78fps。fpsは上がったけど、なぜか消費電力が下がりました。多分誤差の範囲。
標準品質(ノートPC)消費電力134Wで136fps。ここまで品質を下げると明らかにfpsが上がります。ただ思ったほど消費電力が上がるわけではないですね。
あまり数字に差がなかったのでスクリーンショットは1枚だけですが、1050Tiでは設定を変更してもほぼGPU100%に張り付いた状態のままでした。どの設定でもGPUが100%のままなので消費電力に差が出なかったのだろうと推測できます。
GTX1070でFF14の設定を変更してfpsを変えてみるテスト
次に同じような条件でGTX1070を使ってのテスト。
60fps制限で消費電力165W。fpsは当然60fps張り付きのままでした。
CPU使用率は51%でGPU使用率が61%、GPU温度は57℃前後。
使用率にはだいぶ余裕がありますね。
ということでfps無制限に設定変更。
消費電力が225W、103fps。やはり消費電力もfpsも上がりました。
CPU使用率が88%、GPU使用率が98%、GPU温度が63℃。
ほぼ使い切っている状態な感じ。
テスト結果のまとめ
GTX1050Ti | GTX1070 | |
---|---|---|
アイドル時の消費電力 | 51W | 63W |
性能をフルに使った時の消費電力 | 120W前後 | 220W前後 |
FF14ベンチマーク | 7474 | 13193 |
1時間の電気代 | 3.24円 | 5.94円 |
1ヶ月の電気代 | 388.8円 | 712.8円 |
設定で差が出ることも分かりましたが、
アイドル時
GTX1050Ti 51W
GTX1070 63W
性能をフルに使う場合
GTX1050Ti 120W前後
GTX1070 220W前後
という結果になりました。これを1kWhあたり27円で計算すると、1時間あたりの電気代が
GTX1050Ti 3.24円
GTX1070 5.94円
1日4時間を1ヶ月(30日)続けたとしたら、
GTX1050Ti 388.8円
GTX1070 712.8円
となります。あくまで低消費電力のCore i5を使ってのテストなので、Core i7を使うとまた結果は変わってくるし、他のアプリケーションも動かしたり、ディスプレイや周辺機器の消費電力も加わってくるので、皆さんの環境でこのままの数字にはならないですが、1050Tiと1070のGPUの差でほぼ倍近い電気代がかかるという感じですね。
また、テストではfps無制限で60fpsを超える数字を出してますが、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hzであればフレームレートが60fpsを超えても体感出来るほどの差は出ないので、(体感出来る人もいるのかもしれませんが、実際にプレイしてみても私には差が分かりませんでした)60fps制限でプレイしたほうが無駄な電気代は使わなくて良いと思います。
GTX1070クラスの性能をフルで味わいたいのであれば、144Hz対応のゲーミングディスプレイに買い換えるほうが良いということになりますね。
ディスプレイのリフレッシュレートでも消費電力が変わると予想出来るので、そのテストもいずれ!