1. 個人利用でNASが注目される背景
スマホのカメラ性能が上がり、写真も動画もどんどん高画質になったことで、1人あたりのデータ量がかつてないスピードで増えている。特にiPhoneで4K動画を撮ると、数分の記録でも数GBに達することは珍しくない。クラウドに保存するにも容量の上限があり、月額料金も無視できなくなってきた。こうした“データ肥大化”の流れの中で、NASは「自宅に置ける大容量の保存先」として多くの人が興味を持つようになった。外付けHDDより使い勝手が良く、クラウドより自由度があり、家庭内のどのデバイスからでもアクセスしやすい。シンプルに言えば「データが増えすぎて困っている人の救世主」という存在になりつつある。
2. 写真管理に強い理由：自動バックアップ＆家族共有に最適
NASが写真管理に向いている最大の理由は、“スマホの写真が自動でNASに集まる”という仕組みが用意されている点。Synology Photos や QNAPのQuMagie などのアプリを使えば、スマホで撮った瞬間にNASへ自動保存されるため、ユーザーが何も意識しなくても写真のバックアップが完了する。また、家族のスマホからも同じNASにアップロードできるため「家族共有アルバム」を自然に作れる。旅行写真、子どもの成長記録、家の行事など、家族みんなの思い出をひとつの場所に保管できるのはNASならではの強み。さらに自動分類や顔検索も可能で、クラウドのような“検索性の高さ”も兼ね備えている。
3. 動画管理に強い理由：大容量と高速アクセス
動画は写真以上にストレージを圧迫しやすいが、NASなら数TB〜10TB以上の容量でも自由に拡張できるため、動画撮影が好きな人ほど恩恵が大きい。クラウドの場合、大容量プランへ移行すると毎月の課金が増えるうえ、アップロード速度がボトルネックになりやすい。しかしNASは自宅ネットワーク内で転送されるため、動画ファイルも高速にコピーできる。さらにテレビやiPadから動画をストリーミング再生する機能も標準で備わっているため、「撮る→NASに自動保存→そのままリビングのテレビで鑑賞」という流れがスムーズに実現する。動画編集の素材置き場として使う人も多く、クリエイターとの相性も抜群。
4. クラウドより自由で、外付けHDDより便利というバランスの良さ
NASは“クラウドの便利さ”と“外付けHDDの手軽さ”の両方を良いところ取りしたような存在。クラウドはどこからでもアクセスできる一方で、容量制限と月額が悩みのタネ。外付けHDDは安価だが、USBで1台ずつつなぐ必要があり、スマホやタブレットでは扱いにくい。NASはネットワークに接続されているため、家中どこからでも使え、スマホアプリも充実。バックアップ機能、権限管理、写真・動画の自動整理など、外付けHDDでは不可能な機能が揃っている。クラウドほど費用がかからず、外付けHDDよりも圧倒的に便利という“ちょうどいい位置”にあるため、個人利用の人気が高まっている。
5. バックアップの拠点としても優秀：データ消失の不安がなくなる
NASは単なる保存先ではなく、“バックアップの中心”としても使える点が魅力。例えばスマホの写真・動画、PCのデータ、外付けSSDの内容など、さまざまな機器のバックアップをNASに集約できる。Time MachineやWindowsバックアップにも対応しており、「パソコンが壊れた」「スマホを落とした」という場面でもデータの復元が可能になる。またNAS自体を別HDDに自動バックアップする仕組み（Hyper Backupなど）もあるため、機器故障にも強い。家庭内の“全データのセーフティネット”として機能するのはNASだけで、これが利用者の満足度を上げ、人気を後押ししている。
6. 写真・動画が増え続ける時代の“最適解”としてNASが選ばれる
スマホの進化とSNS文化の広がりで、写真・動画の量はこれからも増え続ける。外付けHDDでは管理しきれず、クラウドでは料金が気になり、スマホ本体の容量もすぐ圧迫される。そんな環境でNASは、コスト・利便性・容量拡張性のバランスが極めて良く、長期運用に耐える“デジタルの置き場所”として最適解と言える。家族共有アルバムとしても、趣味の動画置き場としても、仕事の素材管理としても使えて、生活の中心になるストレージ。それが個人利用でNASが急速に普及している理由であり、導入後の満足度が高い最大のポイントでもある。