Loupedeck Live Sを今も使い続けている理由はあるのか?

結論として、用途を限定すれば今でも十分に戦力になる左手デバイスだと感じている。

私はこれまで複数の左手デバイスを使ってきたが、正直に言えば、開発終了と聞いた時点で人には勧めづらい製品になったと思っている。一方で、自分の環境では今も毎日仕事で使用している。

理由は単純で、「使わなくなる決定打」がまだ来ていないからだ。ショートカットを覚えきれず、結局キーボードを見直す作業に疲れていた頃、操作内容が視覚的に分かるこのデバイスは救いだった。失敗例として、設定を詰め込みすぎると逆に迷子になるが、厳選すれば快適さは長く続く。

左手デバイスとしてLoupedeck Live Sが評価される最大の強みは?

最大の強みは、どのボタンで何が起きるかが一目で把握できる点にある。

タッチパネル式のボタンは、ラベルがそのまま表示される。つまり「どこに何を割り当てたか」を記憶に頼らなくていい。これは作業中の脳の負担を確実に減らしてくれる。特に複雑なショートカットを多用する人ほど、この恩恵は大きい。

例えばPhotoshopでWeb用に保存をMacのショートカットキーで行う場合、cmd + option + shift + s という覚える気にもならない4キーショートカットだが、この設定を登録しておくと、「あれ、どのキーだっけ?」と手が止まらなくなる。逆に、物理キーだけの左手デバイスでは、慣れるまでが地味につらい。視覚に頼れるかどうかは、日々の疲労感に直結する。

アプリごとに自動で切り替わる設定は本当に便利なのか?

Loupedeck Live S
Photoshop用の設定を入れておくと、Photoshop用のセットが瞬時に表示される。

アプリ連動による自動切り替えは、慣れるほど手放せなくなる機能だ。

Loupedeck Live Sは、使用中のアプリがアクティブになると、ボタン配置が自動で切り替わる。これにより、同じ位置のボタンでもアプリごとに全く違う役割を持たせられる。設定数が増えても、操作が混乱しにくい。

実際、ブラウザではタブ操作、Photoshopではズームやブラシサイズ調整に同じダイヤルを使っている。失敗として、すべてのアプリに同じ数の機能を割り当てると管理が破綻する。用途を絞ることが長く使うコツになる。

ダイヤルと物理ボタンは作業効率をどれほど変えるのか?

Loupedeck Live S
物理ダイヤルはプラス・マイナスの操作に最適。数値を変更する必要のある項目を割り当てると圧倒的に使いやすくなる。

ダイヤル操作は、拡大縮小や音量調整において圧倒的に直感的だ。

キーボードショートカットでも同じことはできるが、段階的な調整はどうしてもぎこちなくなる。物理的に回せるダイヤルは、感覚と動作が直結するため、細かい調整が苦にならない。

例えば画像編集でズームを繰り返す場面では、マウスやキー操作よりも圧倒的に楽だ。一方で、頻繁に連打する用途には向かない。物理ボタンがあるとはいえ、メインはタッチ操作だという点は理解しておく必要がある。

タッチパネル式ボタンの弱点は作業にどんな影響を与える?

Loupedeck Live S
物理ボタンがあるとは言え、タッチタイプで常用出来るようなボタンではないので用途は限定される。

最大の弱点は、ホームポジションを決めにくいことだ。

タッチパネルは押した感触はあるが、指を置いて待機することができない。そのため、操作のたびに指を浮かせる必要がある。結果として、少しだけ視線を落とす場面が増える。これが長時間作業では地味に効いてくる。

一日中触り続ける用途では、やはり完全な物理キーのほうが疲労は少ない。実際、テンキー入力や連続操作には使わなくなった。向いているのは「一日に何度も呼び出すが、連打はしない操作」だと感じている。

開発終了したLoupedeck Live Sは今から選ぶべき左手デバイスか?

これから新規購入する選択肢としては、リスクが高いと判断している。

開発終了は、ソフトウェア更新や将来のOS対応が止まることを意味する。今は問題なく動いていても、いつ使えなくなるかは分からない。安心して長く使いたい人には勧めにくい。

操作感としてはElgatoのStream Deckに近い部分があり、代替候補は存在する。とはいえ、今の環境に最適化されているなら、無理に手放す理由もない。私はしばらく現役で使い続けるつもりだ。

まとめ:この記事を読んで判断できるようになること

Loupedeck Live Sは、開発終了という大きな前提を理解した上で使う左手デバイスだ。

視覚的に分かる操作、アプリ連動、ダイヤル操作は今も強力である。

一方で、タッチパネル特有の疲労や将来性の不安は無視できない。

この記事を読み終えた時点で、「自分の作業内容に合うか」「今から選ぶべきか」「代替機を検討すべきか」を判断できる。

次に取る行動は、自分が一日に何度も使う操作を書き出し、それが本当にこのデバイス向きかを見極めることだ。