SHURE BETA58Aからaudio-technica AT875Rへマイクを変えました。理由は、BETA58Aの音質が不満だったからではありません。以前はゲーム中のDiscord通話が中心でしたが、今はWeb会議と音声入力に毎日使うようになり、マイクに求めることが変わったためです。
結論から言うと、比較的静かな私のデスクでは、AT875Rを口元から約50〜60cm離して常設しても、ChatGPTへの音声入力は十分に使えています。 マイクを毎回動かさずに話し始められるのが、今の私には最大の利点です。ただし、BETA58Aより周囲の音は拾うと感じます。ゲームとDiscordが再び中心になるなら、私は今でもBETA58Aを選ぶと思います。
BETA58Aが合っていた頃と、今の使い方

BETA58Aを買った当時は、オンラインゲームをしながらDiscordで話すことが多く、キーボードの音や生活音、家族の声をできるだけ相手に届けたくありませんでした。話す時間と話さない時間もはっきりしていて、マイクを口元で使うことは大きな負担ではありませんでした。
当時からショットガンマイクも候補でした。「狙った場所の音だけを拾う魔法のようなマイク」というイメージも少しありましたが、周囲の音を抑えたい自分の用途にはBETA58Aが合っていました。購入時の考え方は、BETA58-Aを選んだ当時の記事に残しています。
その後、ゲームをする時間が減り、Web会議が中心になりました。BETA58Aを口元まで持ってくると、会議のカメラ画角にマイクが入ることも気になります。さらにChatGPTの音声入力を使ってみると、思った以上に正確に文字化され、AIへの入力だけでなく検索や短いメモにも使うようになりました。
回数が増えると、毎回マイクアームを口元へ引く数秒が面倒になります。BETA58Aに不満が生まれたというより、いつでも話せる状態にしておきたくなったことが、買い替えの理由です。Macで音声入力を始める方法やショートカットの設定は、ChatGPTをMac全体の音声入力にする方法で紹介しています。
AT875Rを選んだ理由は、デスクに置きやすい大きさ

Sennheiser MKE 600も少し検討しましたが、価格とデスク上での存在感を考えてAT875Rを選びました。私がAmazonのセールで購入した価格は18,700円です。これは購入時の価格で、現在の販売価格ではありません。
なお、AT875Rは現在メーカー公式で生産完了となっています。販売店によっては新品在庫が残っていますが、今後は入手しにくくなる可能性があります。
メーカー公式仕様では、AT875Rは全長175mm、重さ80g。MKE 600の公式仕様は全長256mm、電池なしで128gです。机に常設する私には、短く軽いAT875Rが扱いやすそうでした。MKE 600は使用していないため、音質や実際の使い勝手は比較できません。
私は配信や動画収録を目的にマイクを選んでいるわけではありません。音質だけを基準にするのではなく、価格やサイズ、デスクへ常設しやすいことも重視しました。AG03でモニターした声はかなり綺麗に聞こえており、音質に不満があるわけではありません。
約50〜60cm離しても、私の環境では音声入力できる
AT875Rは普段、口元から約50〜60cm離した位置に置いています。椅子にもたれるなど、姿勢によってはそれ以上離れることもあります。それでも、私の比較的静かな環境では、大声を出さなくてもChatGPTが十分に文字化できています。
使い始めて約1か月。音声入力は毎日、Web会議は2〜3日に1回程度です。ChatGPTへの相談だけでなく、Web検索や短いメモにも声を使っています。Keychron K0 Maxには音声入力のショートカットを割り当てているので、キーを押せばマイクの位置を変えずに話し始められます。
マイクアームを引くのはほんの数秒で、それ自体は大した手間ではありません。それでも毎日何度も音声入力するようになると、K0 Maxのキーを押すだけで始められ、マイクを動かす準備が完全になくなることが想像以上に楽でした。ただし、50〜60cmで小声が必ず文字化できるという意味ではありません。周囲の音や入力設定が異なれば、結果も変わるはずです。
リングライトの中央に設置している

最初は、BETA58Aを外した既存のマイクアームにAT875Rを付けました。しかし、常に同じ位置で使うマイクなので、どこへ置いても「マイクがあります」という存在感が気になりました。デスクシェルフの周りにはサブモニター、Loupedeck、iPhoneなどのマウントがあり、空いた場所も多くありません。
そこで、Web会議で使うリングライト中央のスマホホルダーを外し、そのネジ穴に変換ネジを介して取り付けました。私が使っているのは、1/4インチ オスと3/8インチ オスをつなぐダブルヘッドスタッドです。Amazonで4個入りを購入し、確認したときの価格は518円、ASINはB0FQNWXJJ5でした。メーカー付属の変換ネジとは別の部品です。
今の配置なら、作業中の視線にはそれほど入りません。会議ではリングライト自体も使うので、私の机では実用的な位置です。見た目まで完璧だとは思っていません。
固定方法には注意があります。ネジを最後まで締めるとマイクの向きが合わず、私は少し緩めた状態で使っています。今のところ勝手に回ったりずれたりして困ってはいませんが、完全に固定できているわけではありません。この取り付け方は私のデスクでの運用例であり、そのまま真似すれば安全・確実に固定できる方法としては勧めません。 リングライト側とマイクホルダー側のネジ径や固定状態を個別に確かめる必要があります。
周囲の音は、BETA58Aより拾う
AT875Rを使ってみると、購入前に想像していたより周囲の音が入ります。BETA58Aと比べると、生活音や周辺の音を拾いやすいというのが私の感覚です。普段は比較的静かな場所で使うので大きな問題はありませんが、近所で工事をしていたときは気になりました。
感覚を言葉にすると、BETA58Aでは布団にくるまれて話していたのが、AT875Rではその布団がなくなったような違いです。自分の声だけでなく、周囲の音も以前より一緒に入ってくる感覚があります。これは同条件の録音比較から導いた測定結果ではなく、実際に使ったときの私の印象です。
AT875Rは公式には超指向性のマイクですが、狙った音以外が消えるわけではありません。家族の声や環境音を少しでも減らしたいなら、近接して使うBETA58Aのほうが私の経験では合っています。
初代AG03のGAINは約7。文字化と会議の音量は別

AT875Rは、初代YAMAHA AG03のXLR入力につないでいます。私の現在の設定は、GAINが目盛りの感覚で約7/10、チャンネルフェーダーは太い基準線付近、+48Vファンタム電源はオンです。BETA58Aの頃のGAINは記憶では4〜5程度でした。ただし、マイクとの距離も違うので、この数字を機種の性能差として比べることはできません。
最初はChatGPTが問題なく音声を文字化していたため、入力音量に不足があるとは気づきませんでした。ところがWeb会議の相手から「声が小さくて聞き取りづらい」と言われ、GAINを調整しました。音声認識が通る音量と、人が聞き取りやすい音量は同じとは限らないと実感した出来事です。
GAINはマイクから入る信号の基本音量を調整し、フェーダーはチャンネルの音量バランスを調整します。ただし初代AG03は出力モードによってPCへ送る音にフェーダーが効かない場合もあります。私の「7/10」「太い基準線」は個人の設定例であり、誰にでも合う推奨値ではありません。会議アプリ側の入力音量と、相手に届く声を実際に確かめて調整するのがよいと思います。AG03自体を選んだ背景は、AG03の音声環境の記事にまとめています。
AT875Rはメーカー仕様で、3ピンXLR出力とDC11〜52Vのファンタム電源が必要なコンデンサーマイクです。初代AG03はチャンネル1のXLR入力へ+48Vを供給できるため、私もそこで使用しています。AT875R本体をPCへUSBで直接つなぐタイプではありません。 購入時は、ファンタム電源を供給できる接続先も必要です。
音質への不満はない。ただし優劣は比べていない
AG03のモニター機能で自分の声を聞く限り、AT875Rはかなり綺麗に拾ってくれていると感じ、音質面の不満はありません。Web会議の相手から音質が悪いと指摘されたこともありません。ただ、先ほどのように声の大きさを指摘されたことはあります。
BETA58Aと同じ距離・同じ環境で録音ファイルを作って聴き比べたわけではありません。そのため「AT875Rの方が高音質」とは言えません。配信や動画制作など、収録した声そのものが成果物になる場合は、別の基準で評価する必要があります。私にとって重要なのは、今の用途に十分な音質と、使いたい瞬間に使えることの両立です。
どちらが合うかは、使い方で決まる

比較的静かな場所で、音声入力やWeb会議を頻繁に使い、マイクを動かさずデスクへ常設したい人には、AT875Rの運用を検討する価値があります。カメラ画角からマイクを外しやすいのも、私には助かりました。ただし周囲の音を拾うこと、XLR接続とファンタム電源が必要なこと、設置場所を決める必要があることは購入前に考えたい点です。
反対に、ゲーム中のDiscord通話が中心で、家族の声や生活音をできるだけ抑えたい人なら、口元で使うBETA58Aが合う可能性があります。喋るときと喋らないときが明確で、近くにマイクがあることを気にしないなら、毎回動かすことも大きな負担にならないでしょう。
私がマイクを変えたのは、BETA58Aという選択が間違いだったからではありません。用途が変わったから、今の自分に合うマイクも変わりました。 音声入力を日常の操作にしたい現在は、AT875Rを定位置に置いてすぐ話せることが、何より便利です。



