1. そもそもNASへのデータ移行とは?基本をやさしく整理
NASを使い始めるとき、多くの人が感じる最初のハードルが「どうやってデータを移すの?」という部分です。NASはネットワークに接続されたストレージなので、外付けHDDのようにケーブルで直接つなぐわけではありません。そのため、MacやWindowsからファイルをどう整理し、どのフォルダに置くのが良いのかを知っておくと、後の運用が一気に楽になります。データ移行は難しそうに見えますが、実際はネットワーク上にあるフォルダへコピーするだけで済みます。写真や動画、書類などをNASへまとめて保存できるようにしておくと、家族の共有にも便利ですし、パソコンの空き容量も確保できます。この記事では、MacとWindowsそれぞれでの移行方法を初心者向けに丁寧に解説していきます。
2. NASの準備:共有フォルダを理解しよう
データ移行の前に、NAS側で何が起きているかを軽く理解しておくと安心です。NASでは基本的に「共有フォルダ」という単位でデータを管理し、写真用、動画用、バックアップ用など用途別に分けることができます。特にSynologyやQNAPでは、標準で「home」フォルダが用意され、個人用のスペースとして使えます。また家族で利用するなら共有フォルダを複数作成し、ユーザーごとにアクセス権を設定することもできます。データ移行時に迷いがちなのが「どこに入れればいいの?」という点ですが、最初は「photos」「documents」「backup」など、分かりやすい名前のフォルダを作るだけで十分です。NASは後からフォルダ構成を変えても問題ないので、まずは使いやすさ優先で準備しておきましょう。
Finderやエクスプローラーで開いた際にフォルダを自分の思った並び順にしたい場合、「01.photos」「02.documents」「03.backup」のようにフォルダ名の先頭に数字を付けると名前順表示にしている場合に好みの並び順にすることが可能です。
↓フォルダ名についての詳細はこちら
フォルダの並び順を自由にコントロールする整理術。先頭に付ける数字ルールの決め方と実践法
3. MacからNASへデータを移行する方法
Macの場合、Finderから簡単にNASへアクセスできます。メニューの「移動」から「サーバへ接続」を選び、smb://(NASのIPアドレス)を入力するだけでフォルダが開きます。一度接続すると、次からはサイドバーに表示されるため、通常のフォルダと同じようにドラッグ&ドロップでデータを移動できるようになります。大量の写真や動画を一気に移す場合は、コピー中にスリープしないようMacの設定を調整しておくと安定します。また、同名ファイルがあった場合の挙動や、フォルダごとコピーしたほうが良いケースなども理解しておけるとスムーズです。特に写真アプリのライブラリを移行する際は、ライブラリ丸ごとNASへコピーすることもできますが、作業中にアプリを閉じておくなどの小さな気遣いがトラブル防止になります。
4. WindowsからNASへデータを移行する方法
Windowsでも基本的な流れはMacと同じで、エクスプローラーからNASへアクセスしてコピーするだけです。エクスプローラーのアドレスバーに \NASのIPアドレス を入力するとNASの共有フォルダが表示されます。よく使うフォルダがある場合は「ネットワークドライブとして割り当て」を行うと、次回からドライブとして表示され、USBメモリのように扱えるため便利です。Windowsは大量のファイルコピーが得意なOSなので、フォルダ単位でまとめて移動すると効率よく作業が進みます。また、ファイル名に使用できない文字があるとエラーが出ることがあるため、移行前に軽く整理しておくと安心です。大きい動画ファイルや制作データなどもそのままコピーできるので、NASをメインストレージのように使い始める最初の一歩として最適です。
5. データを整理しながら移行すると後が楽になる
NASへデータを移すタイミングは、ローカルの整理をする絶好のチャンスです。普段使っていないフォルダが散らばっていたり、用途が重複したファイルがあったりすると、NASでも同じように混乱が起きてしまいます。写真・動画・書類などのカテゴリ別に分けたり、年ごと・テーマごとにフォルダを作ったりしておくと後の管理が快適になります。特にNASは家族で共有することも多いため、わかりやすいフォルダ名を意識するだけでも使いやすさは向上します。また、MacやWindowsのバックアップデータとは別に、重要なファイルはNAS側でさらにバックアップ(スナップショットやクラウド連携など)を設定しておくと安心感も増します。移行作業は時間がかかるように見えますが、最初に整理しておくと後が本当に楽になります。
6. データ移行後の便利な使い方とトラブル予防
データ移行が終わったら、NASは単なる保存場所ではなく生活や仕事を支える便利なツールになります。スマホから写真を自動バックアップしたり、Mac/Windows間のファイル共有に使ったり、家族それぞれのフォルダを作って使う人も多いです。移行が終わったあとに起きやすいトラブルとしては、ファイルが見つからない、アクセス権限で弾かれる、コピーが途中で止まるなどがありますが、多くは設定を確認すればすぐ解決できます。特に、NASの省電力設定でスリープになってしまうとコピーが途中で止まることがあるため、移行中だけスリープを無効にしておくのも効果的です。移行が完了したら、定期バックアップやフォト管理アプリなどNASの機能を活用することで、より便利で快適な環境が整います。
