NASに保存したデータはPCから消していいのか?
結論として、設定内容を理解せずにPCから削除するのは避けたほうが無難です。
私もNASを使い始めた頃、「NASに入れた=退避完了」と思い込み、PCのデータを整理しました。
しかし、後から気づいたのは、NAS側の設定が「同期」だったという事実です。
結果として、PCから削除した瞬間にNAS上のデータも消え、冷や汗をかきました。
つまり、消していいかどうかはNASの保存方式次第です。
単純に「NASにあるかどうか」では判断できません。
この違いを知らないまま整理すると、写真や仕事データを一気に失う可能性があります。
日常シーンでよくあるのは、PCの空き容量が減り、焦って削除するケースです。
このときに「同期」と「バックアップ」の違いを把握しているかどうかで、結果が大きく変わります。
同期とは何か?NASとPCが常に同じ状態になる仕組み
同期とは、PCとNASの中身を常に同じ状態に保つ仕組みです。
私が最初に使った同期機能は、とにかく便利に見えました。
PCで編集したファイルが自動でNASに反映され、保存を意識しなくてよかったからです。
しかし、削除も同じように反映される点を軽視していました。
同期では、PC側でファイルを消すとNAS側も追従します。
そのため、NASは「保管庫」ではなく「もう一つの作業場所」に近い存在です。
具体例として、フォルダ整理中に不要だと思った古い写真を削除したことがあります。
後日、NASから探そうとしたところ、どこにも残っていませんでした。
この時点で、同期はバックアップではないと痛感しました。
バックアップとは何か?削除しても残る安心設計
バックアップとは、PCのデータをNASに別枠で保管する仕組みです。
現在はバックアップ方式をメインに使っています。
理由は単純で、操作ミスに強いからです。
PC側で誤って削除しても、NASにはその時点のデータが残ります。
バックアップは、基本的に一方向です。
PC → NASへの保存が主で、削除や変更が即時反映されない設計が多くなっています。
失敗例として、上書き保存で内容を壊したことがあります。
その際、バックアップから前日のデータを復元できました。
この経験以降、「残す目的ならバックアップ一択」と考えるようになりました。
同期とバックアップの違いを判断する3つのポイント
見分けるポイントは、削除時の挙動・履歴の有無・復元のしやすさです。
まず、削除時の挙動です。
PCで消した瞬間にNASからも消えるなら同期の可能性が高いです。
次に、履歴や世代管理の有無です。
日付ごとにデータが残る設定があればバックアップ寄りです。
最後に、復元操作です。
専用アプリや管理画面から戻す設計ならバックアップと考えて問題ありません。
私自身、設定画面を見ずに判断して失敗しました。
そのため、今は以下を必ず確認しています。
- 削除が双方向か
- バージョン履歴が残るか
- 復元方法が用意されているか
これだけで判断ミスは大きく減りました。
PCから消していいケースと消してはいけないケース
消していいのは、NASがバックアップ用途として機能している場合です。
具体的には、
・世代管理が有効
・削除が即時反映されない
・復元テストを一度でも行った
この条件を満たしていれば、PC整理は現実的になります。
一方で、同期フォルダ内のデータは慎重に扱う必要があります。
特に作業途中のファイルや一時保存データは要注意です。
以前、同期フォルダごと整理した結果、NAS側の仕事データも消えました。
ゴミ箱にも残らず、復旧に時間を取られました。
この経験から、同期フォルダは「削除しない前提」で使うようにしています。
NAS運用で失敗しないために今すぐできる行動
最初にやるべきは、削除テストと復元テストです。
小さなダミーファイルを作り、PCから削除してNAS側を確認します。
次に、復元できるかを実際に試します。
この作業だけで、仕組みの理解が一気に進みます。
また、用途を分けるのも有効です。
作業用は同期、保管用はバックアップと役割を分離します。
記事を読み終えた時点で、
「自分のNASは消していいのか」
「どのフォルダが危険か」
この2点を判断できる状態がゴールです。
次の行動として、まずは設定画面を開き、同期かバックアップかを確認してください。
それだけで、データ消失のリスクは大きく下げられます。
