NASを使っていると、HDDの故障対策としてRAIDを組む人は多いと思います。
私もSynology DS220+をRAID構成で運用していますが、RAIDはHDDの故障には対応できても、NAS本体のハードウェア障害やDSMの不具合、ランサムウェア被害、誤削除といったトラブルには対応できません。そのことが気になり始めてから、NAS自体のバックアップをどうするか考えるようになりました。
現在は、Hyper Backupを使って外付けHDDへ週1回バックアップを取り、普段は物理的に電源を切って保管する運用をしています。この記事では、私が実際に使っている「UGREEN製3.5インチHDDケース+旧NAS用HDD」を使ったバックアップ構成を紹介します。
NAS自体が壊れたときのリスク

RAIDが守ってくれるのは主にHDD故障です。NAS本体のハードウェア障害やDSMの不具合が起きた場合は、RAIDがあってもデータへのアクセスが失われる可能性があります。
また、ランサムウェアに感染した場合や、誤ってファイルを削除・上書きしてしまった場合も、RAIDでは対処できません。
DS220+にはスマートフォンの写真や動画、各種バックアップデータを保存しているため、こうしたトラブルまで考慮した対策が必要だと判断しました。
外付けHDDケースをバックアップ先にする構成の概要
現在の構成はシンプルです。Synology DS220+のバックアップ先として、UGREENの3.5インチHDDケースをUSB接続し、その中に以前NASで使用していた3TB HDDを入れています。
NAS内の使用容量は現在約1.5TBで、Hyper Backupを使って週1回バックアップを実行しています。バックアップ専用の機器を新たに購入したわけではなく、手元に残っていたHDDを再利用しているため、コストをかけずに構築できました。
普段は電源オフにしておく理由

この構成で特に重視しているのが、バックアップ用HDDを常時接続・常時稼働にしないことです。UGREENのHDDケースには電源スイッチが付いているため、バックアップ時だけ電源を入れ、それ以外は物理的にオフにしています。
理由はランサムウェアなどの被害を考慮しているためです。NAS内のデータが暗号化されるような事態が発生した場合、常時接続されたバックアップ先まで影響を受ける可能性があります。普段から電源を切っておけば、バックアップ用HDDは切り離された状態を保てます。完全なエアギャップではありませんが、考え方としてはそれに近い運用です。
実際の作業もシンプルで、バックアップ実行時だけケースの電源を入れるだけです。手間としてはほとんど感じません。
SMR HDDをバックアップ専用に使う考え方
バックアップ先として使っている3TB HDDは、以前NASで利用していたSMR HDDです。SMR HDDはRAID環境では問題が起きやすいのですが、バックアップ専用用途であれば話は変わります。
RAIDに向かない理由はSMRの書き込み方式にあります。詳しくはHDDのSMRとCMRの違いにまとめていますが、1台構成で週1回しかアクセスしない環境であれば、その問題は実質的に影響しません。
常時アクセスされる環境でもなく、週1回バックアップを実行してそれ以外は電源オフという使い方なら、手元に残っていたHDDを再利用する選択肢として十分成立すると考えています。新しいHDDを購入してバックアップ先を用意することもできますが、使わなくなったNAS用HDDが手元にある場合は有効活用できる場面です。
Hyper Backupの設定

バックアップにはSynology標準のHyper Backupを使っています。設定の流れはシンプルで、バックアップ先として外付けHDDを指定し、対象フォルダを選択してスケジュールを設定するだけです。
Hyper Backupは世代管理に対応しているため、単純なファイルコピーではなく過去の状態を保持しながらバックアップできます。誤って上書きしてしまったファイルや、気づかないうちに壊れていたデータも、世代をさかのぼって取り出せるのは安心感があります。私の環境では週1回のスケジュールで運用しており、細かな設定手順はこの記事では割愛しますが、Synologyのサポートページに詳しい手順が掲載されています。
実際に運用してみての感想

運用を始めてから感じているのは、週1回程度であれば負担がほとんどないということです。バックアップ用HDDの電源を入れ、Hyper Backupを実行し、完了したら再び電源を切る。それだけです。
バックアップ実行中にNASへのアクセスが重くなると感じる場面もあるかもしれませんが、その場合はバックアップ以外の原因も含めて確認しておくと良いと思います。NASが遅い原因と対処法にチェックリストをまとめています。
デジタルデータは一度失われると復旧が困難です。家族写真や動画のように、お金では取り戻せないものも多くあります。少し過剰に思えるくらいの準備がちょうどよいという考えで、現在もこのバックアップ構成を続けています。


